わからないことがでてきたら、『バカの壁』を思い出そう
部屋の整理をしていたら、買ったままずっと積読していた本を見つけました。それが養老孟司先生著の『バカの壁』です。
なんだか今の自分にとても響きそうな気がしたので読んでみたら、「なるほど、悩みの正体はこれだったのか!」と思わされることだらけでした。たまーにあたる直感。
さて、タイトルの「バカの壁」とはいったいなんなんだと。バカとバカ以外の人の間にある壁?バカには乗り越えられない壁?
バカの壁とは、「理解できない物事があったときに突き当たる壁」のことです。人間だれしもわからないことにぶち当たることってありますよね。勉強でいえば数学で悩んだことあるってかたは多いんじゃないでしょうか。
「バカ」というとなんだかネガティブなイメージになってしまうので印象悪いんですけど、「バカだから壁があるんだ」とか「だから君はバカなんだ」とかそんなふうに責められる本ではないのでご安心を。どんな人間にもバカの壁はあるから、そんなに悩まなくても大丈夫だよと安心?させてくれるような内容です。安心というか、教養が深まる内容といったほうが正しいですね。
そもそもなんで人間には「バカの壁」ができるのか。人によって立ちはだかる壁は違うが、似たような壁ができる人たちもいる。
なぜ壁ができているのかを、脳や身体、教育、政治、宗教、歴史などさまざまな観点から養老さんが述べています。
たとえば、大学で学生に妊娠から出産までを詳細に追ったドキュメンタリー番組を見せたとき、見た感想が男女ではっきりと異なった。女子学生のほとんどは「大変勉強になった。新しい発見がたくさんあった」という感想。それに対し、男子学生は皆「こんなのは既に保健体育の授業で知っていることばかりだ」という感想。同じものをみてるのに、正反対といってもいいくらいの違いがでたそうです。
同じ大学の学生ということは、知的レベルで差はないはず。だとしたらどこから違いが生じるのか。それは、「与えられた情報に対する姿勢の問題」にあります。要は、男は出産について実感を持ちたくないと思っている。だから同じビデオを見ても女子のような発見ができなかったということです。
つまり、自分が知りたくないことについて自主的に情報を遮断してしまっている。ここに「バカの壁」が発生しているということです。
けっこうドキッとしました。自分の中で「そんなことはもう知っている」と思った瞬間、もう目の前にはバカの壁ができている、ということです。カレーの作り方は知ってるけど、いざ実際作ろうとしたら何をどうやっていいかわからなくなる、みたいな。
なにもわかっていないのに、「わかっている」と思い込んでしまわないようにしたいものです。また、わからないことがでてきたら、ひとりで情報を遮断せずに「どうしてわからないのか」「ほかに見落としてることはないか」など違う視点で物事をみるクセをつけて「バカの壁」を突破してやりたいですね!