『メランコリック』感想。東大卒男が裏世界へどんどん巻き込まれていく展開が面白い。

メランコリック

 

アマゾンプライムビデオで『メランコリック』(2019)を観ました。ものすごくおもしろかった。ストーリーがおもし

ろいし演技もすごかった。知ってる俳優さんが誰もいなかったのですが、みなさん素晴らしい演技をされててすごく引き込まれました。ぼくが知らないだけで日本にはすごい俳優さんがまだまだいるんだなと実感。出会えて良かった映画です。

以下、個人的に印象に残ったところをつらつら書きます。ネタバレありなのでご注意ください。

 

日常から非日常への入り口

アルバイトで入った銭湯が実はヤクザとつながっていた。アルバイトで入っただけなのに好奇心でこっそり裏口から覗いたらやばいもの見ちゃったせいで裏の世界に巻き込まれていく主人公。刺激的な展開にワクワク。

銭湯といえば一日の疲れを綺麗に流して明日への活力をくれる癒やしの場所です。ひとっ風呂浴びたあとは冷たいコーヒー牛乳をぐいっと飲みプハーッ!とするのが最高なわけです。そんな銭湯が死体処理に使われているなんて1mmも思ったことないのですごく意外というかこんな発想があったのかと衝撃。

アルバイト先で行われている裏稼業を目撃してしまった主人公は裏の世界へ巻き込まれていくわけです。いったいどんな結末を迎えるのだろうかとワクワクしながら観れました。

 

感覚がバグる

主人公は昼は普通に銭湯のお仕事、夜は死体処理とガッツリ犯罪を犯しているわけですが、普通に実家で両親とご飯を食べていたり恋人とデートしてたりするんです。主人公人生充実してるなー!と思って普通に見てたら「あれ?でもやばいことしてるんだよな?」とふいに冷静になる。主人公があまりにも淡々としてるものだからやばいことしてる実感が薄れて感じる。日常と非日常が溶け合っているような印象を受けました。この感じすごく新鮮でした。

 

カッコいいアクション

一緒に入ったチャラそうな男が実はプロの殺し屋でめっちゃ強い。銭湯にいる先輩殺し屋と一緒に標的をやりにいくシーンはなかなか緊迫感あって息を呑みます。ハリウッド映画のように銃でドンパチ敵をなぎ倒すのもいいんですが、建物に侵入してサインを出しながら2手に分かれて進んだり、狭い通路や階段でビシバシ格闘するのもテンションあがりますねー!チャラいように見えて礼儀正しく、弱そうに見えてめっちゃ強い。ギャップがあってすごく良いキャラです。

 

ハッピーエンドで良かった

裏の世界を知っている主人公はいつまでもただの銭湯のアルバイトのままではいられないわけで。ついに殺し屋になるか死ぬかを迫られます。いよいよヤバいことになってきたところからさらにおもしろくなっていきます。クライマックスの展開はアツかったな…。

結果として無事銭湯の仕事に戻れて恋人ともまた笑い合って過ごせるようになりハッピーな展開で終わります。けっこう刺激の強い内容にも関わらず鑑賞後はすごい爽やかな気分になりました。これは洋画じゃ味わえないですね。銭湯とか居酒屋とかヤクザとか、日本独特の素材あってこその味です。

 

「メランコリック」の意味

メランコリックって「憂鬱」とか「物悲しげ」とかそういう意味ですがいまいち合わないかなと思ってました。調べてみたら褒め言葉として「ミステリアスな雰囲気」「謎めいた様子」という意味でも使われるそうです。個人的にはこっちのほうがしっくりきます。